私は油絵を描いています。
初めは人物画を描いていて、個体に執着しすぎて窮屈になりいったん離れてみようと、次に見つけたモチーフが植物です。
葉っぱの一枚一枚、蔓の絡まりなどを拾っていくことで、油絵具のマチエール、支持体との絡み、画面内での遊びなど、私にとって許してくれる幅の広い存在で、気がつけば大学時代から今まで草の塊ばかり描いています。
個展をするにあたって率直に「かたまり」をタイトルにしたいと考えました。
そしてその塊は、草や蔓の群集、時間の集積、絵具の重なり、行為の痕跡、経験と共に育った美意識などの言葉で言い表すことができます。
じっくり向き合って制作した、手垢のついたものを数点展示させていただきます。
どうぞよろしくお願いします。
近藤夕琴
