●過去の企画展    
須知鏡子展
-つぶやき murmur-
2014.12.09 - 12.21
字をなぞることから制作がはじまる
とりとめのないつぶやき
そこから一人芝居が繰りひろげられる
やがてとまどいながら かい間見えてくるもの
小さな魚、スイミーのはなし、砂漠の砂粒
私は70億人の一人であるということ





須知鏡子
年により少し黄色っぽく劣化する新聞紙、 その色が好きと作家は語った。 パネルに貼り白くペイントすると 伝達するための文字が異なる意味を持ってくる。 さらに、ペンで描いた無数の不規則な模様が 静かに何かを語りかけてくるようでもある。 私には宇宙に広がる星雲または宇宙から見た地球に見える。 作家のことばにある『スイミー』のフレーズは、 大海原の魚群を想像する。 最新作は楕円形のシード(種)を大きく描いている。 種は太陽と大地のエネルギーを受けて 育ちまた次の種を造り出すことで、 生命の循環を繰り返している。 ひと粒ひと粒の小さな種が「いのち」の遺伝子を継承していく 大きなうねりとなるように見えないか。 さまざまに想いを馳せていると、 すっかり須知鏡子の世界観に迷い込んでしまったようである。

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